女の共感主義と男の優劣主義の違いを理解せよ
男と女の脳の作りは違うとよく言われるが、恋愛においてもっともそれが顕著に表れるのが、女の共感主義(共感脳)と男の競争主義(競争脳)との間のすれ違いだろう。
様々な恋愛シーンにおいて、男を悩ますことになる女の共感主義(共感脳)について、今後のためにも、誤解のないよう、しっかりと理解しておいて欲しい。
男の優劣脳と女の共感脳の違いとは?
例えば、子供のころの話。
友達が、自慢げに「新しいおもちゃを買った」と話すのを聞いたときの、男の子と女の子の反応。
- 男の子は友達のおもちゃよりも「より人に自慢できるおもちゃ」が欲しいと親にせがんだり、時に「俺はもっとすごいの持ってるぜ!」とうそをつく。
- 女の子は友達の持っているのと「同じおもちゃ」を欲しがり(以下略)。
男子の諸君なら、前者のような幼少のころの思い出の一つや二つは必ずあるのではないだろうか。
あるいは妹や姉や幼馴染(女)のいる人なら、彼女たちの、そういった言動に心当たりがあるのではないだろうか。
子供のころと言うのは、理性や論理的思考力がまだ十分に発達いていない時期である。
従って、生まれ持った性分が、色濃くその言動に反映され安いのだが、上記の例はまさしくそれだと言える。
つまり男は、たとえそれが友達であろうとも、他人よりも上に立つことを望み、逆に女は友達と同じであることを美徳とするということである。
友達同士での会話における男女社会の違い
男友達同士の会話では、以下のような話題で盛り上がったりする。
勿論、子供ではなく、大人になってからもである。
「ガンダムシリーズで最強のパイロットは誰か」
ネット上でもよく目にする話題である。
勿論、アニメや漫画だけでなく、野球やサッカーに関する話題でも「最強の打者は誰か」とか「メッシとマラドーナどちらが上か」みたいな話題を野郎どもは好んで話題にすることが多い。
そういった話題で盛り上がり「俺はこう思う」「バカ、違うよ!」なんて熱く語り合い、時に喧嘩にまで発展する。
が、仲直りも早く、次の日になると、何事もなかったかのように、元のさやに納まっている。
男からするとそういったことは日常茶飯事で不思議でもなんでもないのだが、実は女子からすると「あれ? こいつら昨日喧嘩してなかったっけ? もう仲直りしたの?」と不思議に思えるそうである。
逆に女同士の会話でよく見られるのは以下のような感じが多い。
「私、超おいしいスイーツの店みつけたよ」
「へえ。私の家の近所にもおいしいスイーツ店あるよ」
「うそ! じゃあ、今度、食べ比べしてみようよ」
男同士なら、上記のような話になれば「どちらのスイーツ店がおいしいか」で、もめることになる。
少なくともどちらのスイーツ店がよりおいしいか、優劣をつけようとするに違いない。
そしてよりおいしいスイーツ店を知っていた男のほうは優越感を得るに違いない。
が、女同士ではそんなことは全くない。
彼女たちはただ一緒に自分たちのおいしいと思ったものを共に味わいたいだけなのである。
だから「どっちもおししかったね!」なんて言葉で締めくくられることが多い。
「どちらがおいしかったか」とか、そういった殺伐としたムードには一切ならない。
これこそが女の持つ「共感脳」であり、優劣よりも友達と同じであることを美徳とする女性特有の感覚ゆえんである。
同時に、女同士の社会では、ある意味そうあらねばならない暗黙のルールとして、女性の言動を縛る鉄の掟ともなることがある(仮に女社会のルールを破り、抜け駆けなどしようものなら周囲の女子全員から無視されるなどといった仕打ちにあったりする)。
ちなみに、女同士の場合、一度仲間はずれにされたり「いつも一緒」という共通意識が途切れたり(つまり喧嘩する)した場合、回復するのに時間と困難を要する。
これも女性の共感脳ゆえの現象なのである。
女の相談の大半は男に共感を求めてのもの
男と女が衝突しやすい例として「彼女や女友達に相談されたのだが、真面目に相談に乗ってあげたのら、何故か彼女を怒らせてしまった」というのがある。
例えばA子という女子に「B子さんに酷いことを言われた。どう思う?」みたいなことを言われると、女の共感脳に対して無知な男は、大抵が次のような趣旨の返答をしてしまう。
「それはA子さん(あるいはB子)が悪いんじゃないかな」
つまり、話を聞いて、状況を整理して、自分の常識に照らし合わせ、正解だと思える答えを素直に述べるのである。
オブラートに包むかはっきり言うかは人それぞれであるが、男は大抵、女性の相談に対して解決手段を提示してしまう。
そして、相手の女性の心証を損ね、時に怒らせてしまうのだ。
理由は、もう言うまでもないと思うが、女性A子さんは、君に「B子さんにひどいことを言われて悲しいの(あるいは腹立たしい)。ねえ。共感してよ」と暗に言ってきているのに、共感してあげなかったからに他ならない。
女性は解決よりも共感を欲する生き物なのだから、当然である。
男が誤解しがちな「共感」と「「同意=支持」の違い
こう書くと、諸君は「女って面倒くさいな。わかったわかった。次からは共感してやろう」と思うに違いない。
そして同じような相談を受けると次のように言ってしまうのである。
「それは腹立つよなー。それは絶対B子さんが悪いよ。俺でも怒るわ」
共感して欲しいんだったら「共感しているふりをしてやるよ」と言うわけだ(あるいは本当に共感しているつもりかもしれない)。
しかし、この場合もA子さんを怒らせる可能性が大であるから要注意である。
「あなたにB子さんの何がわかるの? B子さんのことをあまり悪く言わないで!」
仮にも相談に乗ってくれた男性に面と向かって上記のように台詞を口にする女性はそうはいない。
しかし、実は内心でそう思っている女性は意外と多い。だから不機嫌になるのである。
これも男からするとまさに「何故?」である。
しかし、A子さんの言う「B子さんの何を知っているの?」と言うのももっともな話で、男は多くの場合、女友達(あるいは彼女)のその友達のことに関してはほとんど知らない場合が多い。
また、こういった女同士の喧嘩の経緯についても、詳しく聞かされないことがほとんどである。
なのに「わかるよ。俺、君のことわかってるよ。共感してるし、だから一緒にB子さんのこと批判してあげるよ」的なことを言ったりしたりすると「知ったかぶりすんじゃねーよ。このお調子もんが!」と女性の非難を買うことになる。
ちなみに、上記の回答例は同意(支持)であって共感ではない。
A子さんが望んでいるものは「共感」であって、それ以上のものは望んではいないのだ。
にも拘わらず、事情もよく知りもしないのに、知ったかぶった口をきけば、当然「誰にでもおべんちゃらを言う、調子の良い奴」というレッテルを張られても仕方がないといえよう。
心理カウンセラーの会話手法ー同意はせずただ共感するのみ
じゃあ、どうすればいいんだってことになるわけだが、心理カウンセラーのやり方が一番わかりやすい。
心理カウンセラーという職業の人たちは、当然、悩みを持つ人たちから、家庭の事情や会社での嫌なことや過去のトラウマなどについて聞かされたりするわけだが、彼らは「解決」「共感」を巧みに使い分け、決して患者に同意はしない。
何故なら、悩みごとには、患者自身にも少しは非があったり、あるいは全面的に責任がある場合も存在するからだ。
最終的に「悩みの解決手段=患者自身にも非があるのではないかという疑問」を提示する必要があるのに、話の最初のうちは「うんうん。ひどい上司だね。大変だったね」と言いながら、最後に「問題は(会社の上司ではなく)あなたにある」と告げたりしたら、まさに言っていることは矛盾だらけ、患者の信頼が得られないことは言うまでもないだろう。
だから心理カウンセラーはクライアントからの相談に対し最初のうちは「うんうん。つらいね。つらかったね」とか「大変だったね」としか言わない。
そしてそのことに多くの患者(特に女性)は納得し、時に涙するのである。
つまり、この「つらかったね」とか「大変だったね」と言った部分が共感を示す言葉であり、女性が求めているものは、ほとんどがこの共感のみである。
だから、男は女性から相談を受けた場合、共感だけしていればいいのであって、よく知りもしないのに、それ以上のでしゃばったことは言うべきではないと言える。
もし、仮に相手の女性が共感以上のもの(同意や解決手段)を君たちに求めているのなら、もっともっと多くの情報と共に、その旨を伝えるはずなので、その時になってから、同意や解決の提示を行えばいいのである。
- 「B子さんに酷いことを言われた。どう思う?」→共感を求めている→「うんうん。友達にそんなこと言われたら悲しいよね」と単に共感するだけでよい
- 「B子さんにひどいことを言われたの。ねえ、B子さんって酷いと思わない」→自分への同意(支持)を求めている→A子を支持し「B子って酷いよな」なんて言えば、当然B子を敵に回すことになるので、どちらの味方につくか(あるいは二枚舌を使うか)熟考せよ
- 「B子さんにひどいことを言われたの。どうしてB子さんはあんなことを言ったんだろう?」→答えあるいは仲直りの解決手段を求めている→喧嘩までの経緯をできるだけ詳しく聞いて、できうる限り真面目に答えてあげる
え? 言外の意味を読み取らなければいけないなんて、女と付き合うのは面倒だって?
いや、決してそんなことはない。
何故なら、大抵の場合、女は男友達や彼氏に対して共感しか求めていないからである(つまり余計なことを言わなければOK)。
悩みと言うのは、本来、自分で解決するものだし、自分で解決できるものがほとんどだ(そしてそのことは中高生女子だって知っている)。
どうしても自分の知恵で解決できないような難題は、親や学校の先生や会社の上司など、より尊敬のできる相手に持ち掛けるだろうし、同意(支持=味方)が欲しい場合は女同士でするのが普通である。
とすれば、女が男友達や彼氏に同意や解決手段を求めることはほとんどないと言える。
逆にそういった相談を持ち掛けられたら、よほど尊敬されているか、あるいは他に相談相手がいない(=友達いない)かのどちらかだと思って差し支えない。
何度も言うが、同意(支持)は、誰彼かまわずしてしまうと「八方美人のお調子者」として女社交界全体から嫌われてしまう場合があるので要注意である。