女に母性本能を期待する男は一生モテない
母性本能と呼ばれる言葉がある。
そして、女には母性本能があるから、それをうまくくすぐることができれば、狙った女性をものにできる、なんて思っている男は多いようである。
だが、はっきり言って、女性に母性本能なんてものは存在しない。
少なくとも女に母性本能を求める男が、期待しているようなものは、あいにく女性は持ち合わせていない。
「母性本能をくすぐる」という恋愛テクニックは偽物
そもそも母性本能というものの定義自体、非常にあいまいである。
母親が子供やかわいいと感じるものに対して無条件に抱く愛情のようなもので、男よりも女に多く見られる心理現象、程度の浅い認識しか、諸君らにもないのではなかろうか。
実際、多くの人が勘違いしているようだが、母性本能というものの存在は、別に医学的・生物学的に証明されているわけではもなければ、明確に定義されているわけでもない。
ただ、女性には時に自分を犠牲にしてでも子供を育てようとする、本能に根差した行動原理が見られることから「そんなものがあるような気がする」的な、実にアバウトな感じで使われているに過ぎない、いわば都市伝説のようなものでしかないのである。
実際、人間の女性には、子育てを途中で放棄するような、自分の都合で子供を犠牲にするような例は少なくない。
こういった「母親が子供を犠牲にする現象」は、人間以外の複数回繁殖を行う種でも、頻繁に観測されている。
つまりこれは「子供生んでみたけど、このままだと共倒れだから、今回は、子供見捨てて自分だけでも生きよう。自分さえ生きていれば、いずれまた子を産み育てるチャンスがくるかもしれない」という、多くの生物に共通してみらえる「本能的な種の生存戦略」が、人間の女性にも普通に存在する、と言うことを表しているにすぎないのである。
よく雑誌の恋愛テクニックとか恋愛心理学特集なんかで「女は年下の男性に甘えられると弱い」とかかれていることがあるが、よく見てみればわかるが、それは女性だけに限ったことではないものばかりである。
- 自分のことを頼ってくる年下の男性。なんか母性本能がくすぐられる
- 完璧だと思っていた男性が私だけに弱みをさらけ出してくれた。母性本能が(略)
- 一生懸命な男性の姿をみていると(略)
- 少年のような笑顔の男性をみると(略)
- 「この人には私がいないとダメだ」と思える男性に(略)
いずれの場合も、男の部分を女に変えて、「母性本能がくすぐられる男性のタイプ」を「見ていて可愛く思える女性のタイプ」に変えても同じことが当てはまることに気づくはずである。
自分を頼ってくる年下の女性も、自分にだけ弱みを見せてくる完璧女も、一生懸命な女性も、屈託のない笑顔の似合う女子も、「こいつは俺が守ってやらないと」と思える女性も、全て、男にとって魅力的な女性であって、「母性本能をくすぐる」とかいう名の恋愛戦術の正体が、何のことはない、男女共通の一般心理でしかないことがわかってもらえると思う。
つまり「女性には母性本能があるから、そこをうまく利用すれば女心をつかめる」なんて言うのは、男の妄想もいいところ。
そんな都合のいい女性特有の弱点(あるいは美点)が存在すると信じてやまないのは、恋愛経験の乏しい男だけで、女性と長く付き合った経験があるなら「そんな男にとって都合のいいものなど女性は持ち合わせていない」ことに誰もが気づくのである。
女性に母性本能を期待してはいけない
というわけで女性に母性本能なるものを期待してはいけない。
特にブサメンの諸君は「俺には何の才能もない。だから女の母性本能に付け入るしかない」みたいに思っている場合が多い。
だから、せっかくできた彼女(あるいは彼女になってくれるかもしれなかった女性)に過度に甘えすぎたり、自分の弱点を必要以上に強調したりする。
そんなことをすれば、フラれる確率が増すだけなのに、である。
そしてフラれた後「母性本能が豊かな心優しい女性だったら、こんな俺でも受け入れてくれたに違いない。俺がフラれたのはあの女が母性本能の乏しい、くそ女だったからだ」などと逆切れをする(最悪、復讐を試みたりする)。
まさに一生結婚できない男の典型としか言いようがない。
女性に母性本能を求めるのがNGな理由
何故、女性に母性本能を求めすぎると、フラれやすいのかは、現実から目を背けず、よく雑誌とかで見かける「女の好きな男性のタイプ(テンプレ)」を見てもらえれば、すぐにわかるはずである。
大体、ルックスに関するものを除くと「大人っぽく頼りになる人」「優しく思いやりのある人」「真面目で一生懸命な人」なんかがあげられているに違いない。
つまり「甘えん坊」の男にモテる男の要素は全くないのである。
寧ろ「マザコン」「自立できていない子供」と言った「NGな男」の印象のほうが強い。
勿論、そんな男性でも受け入れてくれる女性はいるだろう。
が、それは男にルックスを含めた他の男性的魅力が存在し、プラスマイナス合計でプラスの評価が可能な場合か、あるいは相手の女性が単に我慢してくれているか、のどちらかである場合が多い。
・いつも頼りになる彼。時に甘えてくれる姿が可愛い
・何の役にも立たない彼。いつも私に甘えてばかりでもううんざり
この違いをしっかりと理解して欲しい。
「私って母性本能があるから」という女
え? でも、俺の知り合いの女、自分で「私には母性本能がある」って言ってるよ だって?
繰り返すが、俗に母性本能だと言われているものの正体は「男女共通の一般心理」である。
だから、当然、自分で自分のことを「母性本能がある」と認識している女性がいても、それは全く不思議ではないし、彼女は嘘を言っているわけでもない。
例えば「俺は正義感が強い」とか「俺は悪人だ」とか自分で自分のことをそう認識しているつもりの男がたまにいるが、そこには
正義感の強い俺、かっけー。
悪の香り漂う俺、かっけー。
みたいな心理が存在している。
女性にも同様に
私は母性本能が強く心優しい。私ってなんて素敵なの!
とか
私はブサメンでもOKな男を中身で判断する女。私ってなんて素敵なの!
みたいな心理が存在する。
当然、それらは自己陶酔の一種であり、まがい物の上辺だけの認識であるから、当然、いざという時になるとボロが出る。
そして「女性に母性を期待してやまない男」は、そういった上辺だけの母性に引っかかり、後に裏切られた気持ちになる可能性が高い。
ブサメンの諸君は「ブサメンでもOK(あるいは我慢してくれる)母性本能のある女性」を探すのではなく「ブサメンではあるが、しかし、俺は他の長所でそれを補うぜ」タイプの男を目指すべきである。