「女は(ルックスも含めて)才能のある男が好き」は間違い
女は自分にないものを持っている、自分にできないことができる男に惚れやすい。
これは男も同様で、男女問わず、自分にない才能持った人物に尊敬の念を抱きやすい。
男女の場合、尊敬は恋愛感情へと繋がりやすい傾向があることを考えると、いろんな女性に好かれる、モテモテ男になるための必要十分条件は、才能が豊かであることのように思えるが、実はこれは大きな誤解である。
ちなみに以下では、ルックスについても「才能の一部」として取り扱っているものとする。
女が自分にないものを持った男に好意を寄せる理由
女に限らず、人は自分にない能力をもった人間との間にコネを築きたいと思う傾向が強い生き物である。
前述したように、人は「自分にできないことができる人間」に対して尊敬の念を抱きやすいが、「尊敬=お近づきになりたい」ということにはならないわけで、それだけでは、人が、才能のある人物と恋人同士になったり友達同士になりたいと思う感情の理由にはならない。
では、人が才能のある人とお近づきになりたいと思う理由の根本はなんだ、ということになるのだが、これは言うまでもなく「損か得か」というごく単純な打算である(自分の打算に無自覚な人もいるが)。
自分にできないことができる人→困った時に力添えが期待できる→仲良くなっておくと何かと便利
というわけだ。
女性にしてみれば、自分が難題にぶち当たった時に、さっそうと現れ、いとも簡単にそれを解決してくれるような存在は、非常に頼りになるパートナーであり、彼氏や夫として申し分のない存在である。
思わず女性が惚れてしまうのは無理からぬことなのだろう。
一方で女性は似た者同士のパートナーを望む
しかし、一方で、女性の共感脳についてのエントリーで述べたが、女性は他人との一体感や共感を第一に考える傾向が強い。
勿論、これは彼氏等に対しても同様であり、似た者同士のパートナーを女性は望む傾向がある。
例えば、相手の男がなんでもできてしまう才能にあふれた完璧超人みたいな人間だとする。
自分の苦手分野が得意というだけでなく、自分のできること、つまり自分の得意分野に対しても、自分以上の才能を持って解決してしまうな相手が、自分の恋人だとしたら、女性にとって、その男との間に一体感を覚えることはできるだろうか。そこに居場所を感じることはできるだろうか。
男にも同様の感情があるから理解はしやすいかも知れない。
男は共感脳ではなく競争脳の持ち主だが、しかしそれゆえに人の上に立ちたいという欲求が女よりも強い生き物である。
そんな男にとって「自分以上にあらゆる面において秀でた存在」というのは彼女や男友達として、頼りになる存在ではあっても、どこかコンプレックスを抱いきやすく、本当の意味で一緒にいて心が安らぐ相手ではないはずである。
で、冒頭に戻るわけだが、そういったわけで「才能が豊かでなんでもできる男」が女性の理想である、というのは大きな間違いであると言えるのである。
でも現実的に才能のある男がモテてね?
とここまで「才能のある男」=「モテる男」ではない、ということを訴えてきたわけだが、実際、現実として、才能のある男がモテるケースは非常に多い。
その理由を述べる前に、まず遺伝学的にみた理想の男女のあり方について解説してみよう。
遺伝学的に見た理想のパートナーの条件
遺伝学的な見地では「特性レベルでは共通性が乏しく、類型レベルでは類似性が高いほうが好ましい」と一般的に言われている。
特性レベルとは簡単に言うと、得意不得意分野の偏りのようなもの、だと解釈して欲しい。
もっと簡単に言うと「俺は数学とか物理は得意だけど国語と英語は苦手」「私は英語と国語が得意。でも数学とか物理は(略)」といった男女がパートナーになると、お互いの苦手分野を補完しあえて良い、ということである。
また、類型レベルは、例えるなら、全教科合わせた総合偏差値のようなもの。
男の総合偏差値が70で、女の偏差値が40なら、如何に男が「英語が苦手」といっても、女性の得意分野である英語の偏差値すら上回っている可能性が高いことは容易に理解できるだろう。
つまり、この場合は「互いに補完関係にある」とは決して言えないわけである。
「特性レベルは正反対、類型レベルはほぼ同一」のような場合、お互いがお互いの弱点を補完しあうことができるため、女性は一体感(共感)を相手の男性に対して抱きやすく、また、男も自分の得意分野で女性の欠点を補っているため、一応、男のプライドも満たすことができる。
まさに理想のカップルの条件と言えるのである。
だから、才能がある男がモテる理由って何?
そこで、再び「現実には才能のある男が、女性にモテている理由」の説明に戻るわけだが、勘のいい人は、ここまででその理由がお分かりになったのではないだろうか。
そう。
才能のある男が女性に拒絶される理由は、上記に挙げたとおり「才能が有りすぎるがために女性の共感を得られない」というただ一点のみであることから、自分の才能を一部(時に大部分隠す)あるいは「どんなに才能のある男でも弱点は必ず存在し、それを補えるのは君だけだ」と相手に思わせることさえできれば、万事解決する、ということである。
つまり「才能があるからモテているのではなく」、「なによりも、女性心理をよく理解しているからこそモテている」のだ。
私の言いたいことがわかっていただけただろうか。
能ある鷹は爪を隠す、というが、つまり恋愛における「能ある鷹」とは「才能のある男」のことではなく「女性心理を理解し、女性への思いやりを忘れない男」のことなのである。
諸君も男であり、プライドもあるわけであるから、類似レベル(偏差値)で大きく水をあけられている女性との生活は、長くは続かないことが多い。
女性と付き合ったことのない諸君らには、まだピンと来ないかもしれないが、いつかきっとこのことが実感として理解できる日が来るはずである。
諸君らにとっての理想の女性は、「総合的に見て、諸君らと同じ程度の能力の持ち主」であり、実際、そういった女性といずれ結婚することになるのだろう。
何らかの理由で、自分よりも能力的に大きく劣る女性を選ぶ場合は「爪を隠せばいい」だけなので何の問題もないはずである。
問題は、得意分野不得意分野の類似性であり、何度も言うが、これは「類似性が乏しく、互いに補完しあう関係」が望ましい。
諸君らは女性を選ぶ際に、必ず、自分にはない才能をもった女性に惹かれるはずだ。
とすれば、後は如何に諸君らが相手の女性の苦手分野を補えるかのみが問題なわけで、言ってしまえば、意中の女性の苦手分野を見極め、それを補うことができる才能さえあれば、あとは何も必要ない、ということである。
ちなみに補うと言っても完璧に補う必要はない。
相手に「私にできないことができる」という印象を抱かせられる程度でいいので、ハードルはそれほど高くない。
とうわけで「俺は才能がないからモテない」とか逆に「才能がある男はモテる」、というのははっきり言って大きな誤解だと言える。
モテるモテないの境目は「自分と相性の良い女性を如何に見つけるか。そして如何に相手に自分をアピールできるか」なのだから。
ルックスを含めて、特別な才能がある男がモテるように感じるのは、彼らは「黙っていても勝手にアピールになる」ような特徴を持っている場合が多く、勝手に特質レベル正反対の女が寄ってくるからにすぎない。
つまり彼らは何の努力もする必要がないのである。
それはそれで実にうらやましい限りなのだが、自分でターゲットを定め、狩りが成功した時の喜びを知れば、そんなことはどうでもよくなるはずだ。